ウリハムシをご存知でしょうか。小さい甲虫です。家庭菜園でも食害が問題になることがあります。
- ウリハムシって何?
- ウリハムシが居ると何が問題?
- ウリハムシの食害をどう回避すれば良いか
- 捕獲器を用意する
- 捕まえる前にニームオイルで弱らせる
- ウリハムシを捕獲器に追い込むコツ
- 捕獲器に捕まえた虫をどう処分するか
- その他のウリハムシ対策
1.ウリハムシって何?
小さい甲虫の一種で、ウリ科の植物を食べます。基本的には実ではなく葉を食べるようです。
我が家の庭に来るのは主に2種類で、全身朱色のものと、体が黒で頭が黄色のものです。
成虫のまま冬を越し、春に卵を産んで梅雨時には新しい世代が活動するという感じのようです。夏~秋にかけでも増えていると思います。
2.ウリハムシが居ると何が問題?
ウリ科の植物といえばキュウリです。ゴーヤの葉も食べるので、要するにグリーンカーテンの敵です。
ゴーヤしか育てていなかった頃は気にしていませんでしたが、キュウリを育てるようになり、やたらと目に付くようにました。やはりキュウリが好物のようです。
成虫が葉を食べるのをよく見かけるのですが、幼虫も地中で根を食べるのだそうです。
個々の食害はたいしたことはありませんが、何匹も来られると葉が穴だらけになります。放っておくと増えるので、やはり駆除すべきです。
3.ウリハムシの食害をどう回避すれば良いか
虫の対策は、効果という意味ではやはり農薬がベストです。ウリハムシの場合は「マラソン乳剤」などを使うようです。私は使っていないので、お調べください。
農薬の自分への影響はそれほど気にしていませんが、集合住宅の庭では噴霧した農薬が風にのって周囲のお宅に到達するかもしれません。近くを通る子どもが吸い込むようなことも避けたいです。そのため、なるべく農薬は使いません。
また農薬により一時的に虫を排除できても、その効果が長続きすることはありません。どこかから次々と飛んで来るからです。いちいち農薬で対処していては、それこそ薬漬けになります。
ではどうするかというと、虫全般に言えることですが「虫は捕獲する」が一番手っ取り早く、確実な対処法です。
ではどうやって捕まえるかというと、まず「弱らせる」です。その上で「捕獲器に追いこむ」、または「捕まえて捕獲器に入れる」ことになります。
4.捕獲器を用意する
「捕獲器」と書いたのは、500mlのペットボトルの上部を切り離し、逆さまにして蓋として載せたもののことです。下の写真をご覧いただければ構造はわかると思います。
この逆さまになった注ぎ口よりも少し下の部分まで水を入れて完成です。
上の写真はラベルを取った状態ですが、実際にはラベルをしたまま使っています。全く見えないのも不便ですが、あまり中が見えやすいと気持ち悪いからです。
ネット上でこうしたものを勧めている人がちらほらいらっしゃるので真似したのですが、基本コンセプトは「水を入れておく」、「上から這い出すのが難しい構造のため、虫が水で溺れる」というものです。
私は水の代わりに、噴霧するために作ったニームオイルの水溶液(ニーム液)をそのまま入れています。 水だけだと普通に泳げてしまっていつまでも死なない虫がいるからです。
( ここでいよいよ「ニームオイル」の登場です。 )
油が体につくと窒息するのか、比較的すぐに死んでしまう虫もいます。意外なところではクサギカメムシは結構すぐに死にます。
ちなみに同じカメムシでも、他の種類はしばらく生きていますし、キマダラカメムシという外来種の巨大な種類の成虫は、何日も平気で泳いでいました。
ちなみにウリハムシも捕獲器に落とすのは比較的簡単ですが、かなりしぶとく生きています。下の動画は実際に捕まえたウリハムシが捕獲器の中でせっせと泳いでいるところです。
個体差はありますが、1日では死なないことが多いように思います。長いと4日ほど泳いでいるのを見たことがあります。ウリハムシのバッテリーはかなり長持ちなのです。
早く死んで欲しい場合、割り箸などでつまんだまましばらく水没させるか、上から追加でニーム液を拭きかけると、効き目が早いように思います。
こうすると、どうも表面張力のようなものが働かなくなり、ニームオイル(というかオイル)にやられやすくなるのだと思います。
5.捕まえる前にニームオイルで弱らせる
ウリハムシは飛べるので、捕獲器に入れる前にまず「弱らせる」ことをお勧めします。
どうやって弱らせるかというと、ここでまた「ニームオイル」の登場です。
まずニームオイルを希釈したものをいつでも噴霧、スプレーできるよう、スプレーボトルや噴霧器に用意しておきます。
そして虫に気づいたら、遠慮無くドバドバとニームオイルを吹きかけます。
そうすると、大抵の虫は嫌がります。そして全身にニームオイルを浴びてしまうと、ほとんどの虫は一瞬、またはしばらく飛べなくなります。
正面から吹きかけるのを最も嫌がる傾向があります。ただしウリハムシは小さいので、方向にはこだわらず、とにかく逃げる前にまとまった量を吹きかけることが重要です。
しつこくニームオイルを吹き付けると、やがてそれで死ぬこともあります。
それを期待してしつこく吹きかけたこともありますが、仕留めるまでには非常に時間がかかりました。また、調子に乗るとスプレーボトルを握る手が腱鞘炎になります。
(噴霧器を使うと腱鞘炎にはなりませんが、ノズルが長いと取り回しが大変なので、虫を捕獲するときには小さなスプレーボトルがあると便利です。噴霧器は虫を発見する前、あぶり出すため手当たり次第に噴霧しまくるのに使います。)
現実的な方法は、ニームオイルを吹きかけて「弱った」、もしくは「飛べなくなった」と思ったら、その隙に割り箸でつつくなどして、捕獲器に落としてやる、というものです。
6. ウリハムシを捕獲器に追い込むコツ
暇があるという人でも、なかなか日中に虫と戦っている余裕はないと思います。そこでお勧めなのが、早朝に見回ることです。早朝は虫も活発ではないので、飛んで逃げる可能性が低くなります。
また、ウリハムシが葉の裏側(地面の側)に居るときは、捕獲器をその下に近づけます。すると気配を察知して自分から一旦落ちようとします。
単に飛ぼうとして失敗しているだけかもしれませんが、とにかく自分から捕獲器に落ちてくれるのです。
逆に、裏側ではなく葉の表側に居るときは、元気ならいつでも飛び立てるようです。この場合は気配を殺しつつニームオイルを吹きかけておくことをお勧めします。
虫を捕獲する際は、基本的に割り箸を使っています。虫が苦手だからです。本当は割り箸でつまんで捕獲器に入れるのが一番確実で良いのですが、ウリハムシを割り箸でつまむのは困難です。
ウリハムシはカメムシなどに他の害虫に比べると葉や茎に対するグリップが効かないようで、比較的落としやすいので捕獲器に落としてやるという感じです。
作業用の手袋をしている時はウリハムシを手でつかむこともあります。特に早朝など、ウリハムシが鈍いときにはつかんで捕獲器に放り込めます。他の虫の場合は必ず割り箸を使っています。
7.捕獲器に捕まえた虫をどう処分するか
虫が溺れて動かなくなったなぁと思ったら、土に少し穴をあけ、ニーム液ごとそこへ捨てます。
乾いてふかふかの土の上にあけると、ニーム液ごと土の中に潜ってしまって死骸も見えません。そうならない場合は自分で土をかぶせたりしています。
ニーム液はしばらく放置していても良いのですが、さすがに1週間以上のような長期になると、なんと蚊が卵を産むようなので、こまめに捨てた方が得策です。
ニーム液なので、ボウフラから蚊になるのはおそらく無理だとは思いますが、かなり長期間放置しておいた捕獲器にボウフラが湧いてしまっているのを見たことが1度だけあります。
特に5月下旬~9月は次々と虫を捕まえることになり、捕獲器に虫がたまっていきます。虫が多数泳いだり死んでいるのは見たくないので、自然とこまめに捨てるようになります。
ちなみに捕獲器は何個も用意しておことをお勧めします。少なくとも1つだと、全部の虫が死んでいるというタイミングがやってこないので、捨てられなくなります。
死んでいない虫を解放したら、土をかぶせても這い出してきます。
捕獲器はなるべく3個以上用意し、1つの捕獲器を何日も使わないようにします。数日経過したら他の捕獲器を使い、虫が全部死んでいる捕獲器は中身を捨て、新しくニームオイルを入れる、という事を繰り返すと良いと思います。
基本は「ニームオイルを頻繁に噴霧する(多い時には毎日)。ニームを嫌がる虫を見つけたら捕獲する」、これだけです。とてもシンプルです。皆さん頑張ってください。
そんな暇はない。という方がほとんどだとは思いますが・・・
8.その他のウリハムシ対策
農薬を使いたくない場合、あまり選択肢はありません。
畑で見かけるようなキラキラするテープを張り巡らせるのも1つの手だと思います。我が家ではまだ試していません。狭い庭でそんなことをしたら動き回るスペースが無くなるというのも事実です。
実は昨年かなり頑張ってウリハムシを捕まえたのですが、今年は6月下旬になってもそれほどウリハムシが発生していません(そのかわり他の虫は居ますが・・・)。
我が家の庭で年を越したり、産卵できた個体が少なかったのか?とも思いますが、今年は天候も極端(乾燥や低温、一転して大雨)なので、その影響かもしれません。
いずれにしても、周囲に自然が多い環境の場合は特に、虫が外から飛んで来ます。飛んで来たのが数匹でもしばらくすれば増えるので、放置するという選択肢はありません。
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