
去年はゴーヤの記録をほとんど残していませんでした。今年は最後まで様子を紹介したいと思います。第一回目です。
1.薬を一切使わずにゴーヤを定植
今年は冬の間にグリーンカーテン用の苗を植えるあたりの土を掘り返して天日にさらして殺菌消毒をした(つもりの)後、埋め戻したその上に新しい「虫が入っている可能性のない培養土」を多めに盛って定植することにしました。
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またゴーヤの苗を植える周辺を下のように板で囲んでみました。

もともとは芝生の浸食を防ぐためのものなので、根が張りづらいよう土に深く打ち込めるようになっています。
多少は虫よけになるかも?とか、雨が降ったときに多少泥はねしづらいか?とか考えてのことでした。実際に囲ってみるとなんとなく虫や病気にやられづらいのでは、という気分になります。
加えて去年はキュウリとミニトマトが病気で大変だったため、ゴーヤは「全く手がかからなかった」ような印象でした。
参考:キュウリはカビ系の病気に注意が必要、プランター用の防虫ネットを使ったミニトマト栽培に失敗(注意点など)
さらに今年は一足先にプランターに定植したキュウリに何も薬を使わなかったのですが、全く虫にやられる気配を見せていませんでした。
こうしたことから、すっかり「ゴーヤは虫対策のための薬は不要」という気分になっていました。
本当はゴーヤも小さな苗のうちは毎年何かしらの(虫による)トラブルがあるので、 例年は地中の虫に効く「ダイアジノン」、地上の虫に効く(本当はゴーヤに使ってはいけない)「オルトラン」を使っていました。
参考:ゴーヤの定植(グリーンカーテン用)
しかし今年はなぜか脳天気に薬は全く使用しませんでした。


銀色のものは敷き藁代わりの「ワラサラバー」です。
参考:キュウリの定植(グリーンカーテン用)
2.ゴーヤの定植から1週間後
比較的早く、定植から約1週間後くらいで葉に小さな穴が開き始めました。アオムシだともっとざっくりと大きな穴が開くと思っていたのと、食べている虫の姿も見えないのとで「なんだろう」とは思いながらしばらく何も対策をせずに様子見をしていました。
正確には「何もせず」ではなく、定植後1週間後頃から毎朝ニーム液は吹きかけています。


ちなみに噴霧器が経年劣化で使えなくなったため慌てて購入しました。ちょうどゴールデンウィークで休業している企業が多かったのと、コロナ騒ぎでさまざまな物の流通が滞っていた頃だったので、新しい噴霧器が届いたのは定植から2週間近く経ってからでした。
ニームオイルと噴霧器 参考:ニームオイルで安全に害虫駆除
噴霧器が届くまでの間はダイソーで購入した500mlのスプレーボトルを使って手動でニーム液を噴霧していました。
ニーム液を吹きかけるとアオムシ・イモムシはかなり嫌がって丸まったり動き回ったりします。なので「アオムシが居ればすぐにわかる」と思っていたのが間違いでした。
3.ゴーヤの定植から2週間後
上の写真を撮って以降はいよいよ虫食いがひどくなってきました。しかしゴーヤがすごい勢いで伸びるのでまだ虫に食われていない葉もあったため、数日はそれほど心配していませんでした。

少し経って定植から2週間が経過しようとしていた頃、キュウリの葉の裏から小さなアオムシがせっせと葉を食べていることに気づきました。
それまで傷の跡か汚れだと思っていた箇所に穴が開いたのです。新しい噴霧器が届いてニーム液を吹きかける効率が良くなったこともあり、そちらはすぐに発見して弱っているところを退治しました。
じゃあやっぱりゴーヤの葉に開いた穴もアオムシか、ということで真剣にゴーヤの葉を一枚一枚めくってよーく見てみたところ、いました。
イメージしていたよりもかなり小さいアオムシがゴーヤ2株で計5~6匹見つかりました。
2匹はキュウリに居たのと大差ない大きさでしたが、それ以外はさらに小さく、ニームで弱ってじっとしているのになかなかつまめません。
地面に落ちるとまた行方不明になって嫌なので、スコップをあてがってそこに落として回収・処分(踏み潰す)しました。
ここまで小さいと潰すのもつまむのも全然平気です。ある程度大きくなったアオムシは気持ち悪いので割り箸でつまんでニーム液を入れた捕獲器に落としています。
その次の日からは家内が早朝パトロールを行い、数日続けてもう少し大きめのアオムシを捕獲しました。写真を見せてもらったところ、私が捕獲したものよりも大きめです。

ここまで来るともはや見逃すような大きさではありません。そして葉は日を追う毎に穴だらけになっていきました。


4.ゴーヤの葉を食べるアオムシ対策で「ゼンターリ」を散布
「思ったよりもアオムシ多いかも」ということでいろいろ考え始め、ようやくアオムシ対策を思い出しました。
実はアオムシ・イモムシが食べると神経をやられてやがて死ぬという薬があります。「ゼンターリ」です。このサイトで紹介するのを忘れていました。
私が購入して使っているのは「ゼンターリ顆粒水和剤 100g」です。水に溶かして使います。文字どおり水にとけやすいです。
薬と書きましたが自然界に存在する菌が出す毒素を利用しているそうで、ゼンターリが付着した葉を虫食べることによって虫に取り込まれます。小さなアオムシだけでなくヨトウムシにも効きます。
アオムシ・イモムシ類以外のその他の生き物にはほぼ害がないそうです。ミツバチにも影響がないというのは安心です。
しかも実がなる野菜でも収穫前日まで使って良いそうです。 なんでも「有機農産物生産にも使用できる」のだそうです。
そして個人的には「何度も使うことができる」というのが最大のメリットです。農薬は大抵の場合使用回数が制限されていますが、ゼンターリはアオムシが発生した時にその都度散布することができます。
購入時は顆粒であり、ごく少量を水に溶かして使います(1000~2000倍に希釈という感じ)。
参考:グリーンジャパン「農薬情報>ゼンターリ顆粒水和剤」
たくさん作っておけると楽なのですが、有機栽培にも使える自然由来のものというだけあってか放置しておくと「腐ったような強烈な臭いになる」という欠点があります。たぶん本当に腐っているんだと思います。
かつて1度だけ使い切らなかったボトルを翌年まで持ち越したことがあり、それを噴霧したところ強烈な臭いがしました。これがトラウマとなり作ったら1度で、長くても数日で必ず使い切り、使い終わったスプレーボトルはノズルも含め念入りに清掃するようにしています。
散布した溶液はすぐに雨で流されたり分解されてしまうようで、自分の庭やタタキにいくら飛び散ってもそれが臭いを発するようなことはありません。
すぐに流れてしまうということは、葉に吹きかけても雨ですぐに流れるということです。特に雨が多い時期には困るので、農薬が葉に定着しやすくする「展着剤」を使っています。商品名は「ダイン」です。
私は500mlのスプレーボトルでゼンターリを噴霧するので、ゼンターリの顆粒を0.5g計測しなければいけないのですが、これが結構大変です。またダインはもっと厳しく、500mlに対する適量は0.05gです。ゼンターリはスケーラーを使って測りますが、ダインは無理なので、爪楊枝を浸して滴を何滴か落とすようにしています。
「水に溶かしてしまうと長期間の保存には向かない(臭くなるので)」、「1000倍に希釈するので少量だけ水溶液を作るのは大変」、「雨が降るとすぐに流れ落ちてしまう」という難しさはあるものの、何度も使えるゼンターリはとてもありがたいものです。
なにしろ効果も抜群です。すぐに殺すというものではなく徐々に弱っていくのですが、極端なときには朝散布すると昼頃にはグッタリしたアオムシがゴーヤからぶら下がっていたり、落ちていたりすることがあります。
繰り返しますが「何度使っても大丈夫」です。「ゼンターリ」は本当にお勧めです。
ゼンターリとニームだけで薬は全く使わずに虫に対抗できるのか、試してみます。
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