噴霧器(蓄圧式)を自分でメンテナンス(工進[KOSHIN]製)

グリーンカーテン用に育てているゴーヤやキュウリ(特にキュウリ)とミニトマトに寄ってくる虫を駆除するため、ニーム液を噴霧しています。そのときに使う噴霧器のメンテナンスについて書いておきます。

  1. なぜニーム液を吹きかけるのか(復習)
  2. 蓄圧式噴霧器 KOSHIN Mister AUTO(HS-251BT)
  3. 噴霧器は経年劣化するので要注意だが対策も取られている
  4. 噴霧器の「圧力が上がらなくなる」、「出が悪くなる」
  5. まず噴霧器を清掃してみる
  6. 部品も簡単に入手でき自分で交換できるミスターオートはお勧め

1.なぜニーム液を吹きかけるのか(復習)

以前書いたようなことですが、ここで繰り返しておきます。

我が家ではニーム液を大量に噴霧します。「ニームは虫よけになる」ことを期待する人も多いようですが、厳密には理由が異なります。

私も当初は「虫よけ効果」を期待していましたが「ニーム液を噴霧したからしばらく虫が寄ってこない」ということはありません。よほど濃度の高いニーム液ならそういう効果もあるかもしれませんが、推奨されている濃度で噴霧するかぎりは無理です。

ではなぜ噴霧するかというと、ニーム液がかかると「虫が嫌がる」または「一時的に弱る」からです。水をかけても嫌がる虫がいますが、あれを極端にしたようなものです。

おそらく油分が虫の呼吸を妨げるのだと思いますが、単なる憶測です。とにかくウリハムシなどはニーム液でびちょびちょにしてやるとしばらく飛びづらくなります。さらにしつこく吹きかけると死にますが、いちいちそんなことをやっていては時間がかかるので、弱っている隙に捕獲器に落とすのです。(参考:キュウリやゴーヤの葉を食べるウリハムシの対処法

相当吹きかける必要がありますがカメムシにも効きます。これをやらずにいきなり捕獲器に落とそうとすると逃げられる確率が高いので、我が家ではなるべくニーム液を吹きかけてから捕獲します。

イモムシ、アオムシなどはは普段目立たず発見するのが困難ですが、ニーム液を噴霧することによりジタバタする虫の存在に気づきやすくなります。イモムシ、アオムシはニーム液がかかると嫌がって身をよじらせたり、中には糸をはいてぶらさがって逃げようとするものもいます。

実はカメムシも目立たないことがあるのですが、ニーム液をたっぷり吹きかけると嫌がって歩いて逃げようとするため、やはりわかりやすくなります。

2.蓄圧式噴霧器 KOSHIN Mister AUTO(HS-251BT)

我が家ではKOSHIN Mister AUTO(ミスターオート)という蓄圧式の噴霧器を使ってニーム液を噴霧しています。手でポンプのハンドルを上げ下げして容器内の圧力を高め、その圧力を利用して噴霧するという仕組みです。

ホームセンター等では他のメーカー製で容量が4Lのものを1000円台で購入できると思いますが、我が家では容量が2.5Lのミスターオートを2200円ほどで買っています。

めったにホームセンターに行かないので4Lが主流とは知らなかったのも理由の1つですが、一番の理由は「4Lは大げさ」だと感じたためです。

もともと購入の動機は「手動のスプレーボトルでニーム液を噴霧していると腱鞘炎になる」ことでしたが、そのとき使っていたスプレーボトルは容量が500mlです。ニームオイルを水で1000倍に希釈してまとめてニーム液を作るときも2Lのペットボトルを使っていたくらいなので、4Lは「多すぎる」と感じたのです。

4Lの噴霧器を担いで動き回れるほど庭先のスペースに余裕がなかったというのも理由の1つです。なので2つめを購入する際も、多少迷ったものの結局同じ大きさのものを購入しました。

ちなみにグリーンカーテンが茂り最盛期になると、毎朝2Lはニーム液を噴霧します。ニーム液を作る手間を考えると4Lでも良かったかもしれませんが、やはり2.5Lは取り回しがしやすいです。軒先の「タタキ」はエアコンの室外機などもあって狭いため、噴霧器のタンクが小さくて良かったと思っています。

3.噴霧器は経年劣化するので要注意だが対策も取られている

さてようやく本題の一歩手前ですが、こうした噴霧器はプラスチックの樹脂でできています。安くて良いのですが当然経年劣化します。

特に紫外線で劣化するようです。圧力をかける容器がひどく劣化したら破裂してしまうので、私が購入したKOSHINの噴霧器には下の写真のようなラベルが貼られています。

噴霧器のタンクに貼られている交換時期を知るためのラベル

購入時はこのラベルに紫外線を通さないシールが貼られており、使用を開始するときにはがします。紫外線があたるにつれて左右の色が近づいていくので、同じ色になったら仕様を中止する、という仕組みです。

噴霧器を使わない時期には日に当たらない場所にしまっておくと、紫外線を浴びる時間を大幅に減らすことができます。ですが面倒なので1年中庭先に出しっぱなしにしていました。

4.噴霧器の「圧力が上がらなくなる」、「出が悪くなる」

さて、今度こそ本当にようやく本題です。二冬超した今年の5月にニーム液を噴霧しようとしたところ、圧力が上がらないことに気づきました。上記のラベルの色はまだ同じになっていませんが、丸2シーズン日差しに当てっぱなしだったので「やはり劣化が進んでしまったか」と思いました。

Amazonなどのレビューを見ると、やはり数年で買い換えている人がいるようなので、早々に新しいものを購入しました。

実はKOSHINの噴霧器は交換用のパーツが販売されており、故障の具合によっては復活できそうです。2台目を物色しているときに気づいてはいたのですが直す時間をすぐに取れるかわからなかったのと、結局直らなかったら困るということで2台目を購入してから考えることにしました。

そして一月ほど経って時間に余裕ができたときにネットで少し調べてみたところ、そもそもミスターオートの説明書に各パーツの型番まで詳細に記載されていることがわかりました。

少し検索したただけで、分解清掃や部品交換、特にパッキンの交換をしている様子を動画で紹介している人もいることがわかりました。

一度も分解清掃したことがなかったのと2シーズン放置していたことから最低でもパッキンはだめだろうと考え、とりあえずパッキンだけ購入しました。

必要なパッキンがセットになったものがヨドバシカメラでなんと309円でした

我が家はAmazonで成り立っていると言って良いほど普段はAmazonを使っていますが、こういうものはAmazonよりもヨドバシの方が頼りになります。なにしろ配達はヨドバシの方が早いうえに送料は全国無料です。還元されるポイントを考慮すればAmazonの最安値と同じか、むしろ安いこともあります。

ちなみに今回のパッキンのセットはAmazonのマーケットプレイスでも販売している業者がいましたが、送料だけで800円以上でした。普段楽天やAmazonばかり使っているという人がいたらヨドバシもチェックしてみることをお勧めします。なにげに園芸用品もAmazonより頼りになることがよくあります。

5.まず噴霧器を清掃してみる

パッキンはすぐに届きました。

蓄圧式噴霧器ミスターオートで共通的に使えるパッキンのフルセット

パッキンの交換までするつもりでまずシリンダーが付いているハンドルと、安全弁を取り外しました。

シリンダー(手前)と安全弁(右上)

安全弁の分解は構造を理解していなかったので後回しにし、歯ブラシで目に見える汚れだけ簡単に落としました。

そして一番怪しいシリンダーです。ねじ込み式の部品は簡単に分解できたので、ピストンリングの周辺を念入りに洗うことにしました。グリスのようなものが付いていてねっとりしており、その油に黒い汚れが付いています。おそらくピストンリングから溶け出した色だと思います。

シリンダーを外し歯ブラシでこすってみたところ
黒いものがピストンリング

歯ブラシとレンジフード用の油を落とす洗剤を使い、この黒い汚れをあらかた落としました。

多少きれになったので購入した新しいピストンリングと古いピストンリングを交換しようとしたところ、新旧のピストンリングにほとんど違いが見あたりません。 強いて言えば少し摩耗して細くなっているかもしれません。

右が新しいピストンリング

ニーム液にもニームオイルの油分が含まれ滑りが良いのか、劣化している感じがあまり見られないのでそのまま組み立ててみることにしました。

説明書には「注油または交換」することと書かれていたのでシリコンスプレーを使って滑りを良くしようと思っていましたが、シリンダーを組立てて空気漏れがないか確認した後、再度分解してピストンリングのあたりを見てみると、シリンダー内に残っていたであろうグリスがまだ効いているようでした。

結局シリコンスプレーは使わずにシリンダーと安全弁を本体へ戻し、圧力がかかるかを試してみました。するとあっさりと圧力がかかり、普通に噴霧できるようになっていました。翌朝、本格的に使ってみましたが特に問題ありません。

というわけで購入したパッキンは1つも使わず、しかもちゃんと清掃したのはシリンダーだけという簡単なメンテナンスであっさりと使えるようになりました。

説明書にはどんな症状のときにはこうすると良いという説明が図解入りでかなりわかりやすく記載されています。KOSHINの蓄圧式噴霧器で調子が悪くなったと思ったら、まず説明書を参考に分解、清掃してみてください。説明書は公式のWebサイトにPDFファイルで用意されています。
(参考:KOSHINのWebサイトにあるミスターオートHS-251BTのページ

6.部品も簡単に入手でき、自分で交換できるミスターオートはお勧め

部品が劣化している場合は清掃だけでは直りません。ただし繰り返しますが、パッキンなどはパーツごとに購入可能です。しかも値段はかなりリーズナブルだと思います。

説明書も親切ですし、わかりづらければYoutubeなどで探せば解説付きの動画が見つかります。

あまり深く考えずに購入した蓄圧式噴霧器でしたが、ミスターオートを選んで正解だったようです。

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